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こやまうんてんの紅茶日記2021

 皆さん,いつもご贔屓ありがとうございます。アドベントカレンダーをご覧の皆さんは1年ぶりですね。とーきょー大学大学院就職無理学系修士1年,こやまうんてんです。


 2021年ももう終わると思うと,背筋が凍ります。ぼくの個人的な事情ですが,修士課程ももう8か月が経過して,大した成果もなく毎日「オエー」って画面に向かって叫ぶ日々を送っています。やってみてはダメ,やってみてはダメと穴掘り拷問をさせられている気分で発狂しそうです。


 暗い話は横においておきましょう。今年は,秋頃までの新型コロナウイルス感染症のパンデミックはさることながら,個人的な事情もあって全然お店巡りが出来ませんでした。茶葉も例年の半分も買っていないかなあ。昨年同様に,東西南北縦横無尽に地の果てまで紅茶店を追いかけるようなレポートを期待してくださっていた方,ごめんね♡ もっとも,いつも飲みきれないくらいの茶葉を買って持て余していたので,これくらいの購買ペースが丁度いいのかなとも。このお茶いつどこで買ったんだっけみたいな茶葉が箱の奥底から出てくる,みたいなのは悲しいことこの上ないのでね。


 といって終わりだと,書くことねぇじゃん何だよ「紅茶日記」って。ってなるので,これでは終わりません。先述のとおりほとんど地方に足を運んでいないどころか関東から一歩も出ていない(外出自粛の鬼として賞金授与して表彰してほしいレベル)のですが,その代わり東京近郊のお店を見直すことにしました。昨年まで,ぼくの地元である北海道のお店を全く巡っていなかったという事実に気づいたのに続いて2例目の「灯台下暗し」案件です。そういえば,KUREHAの活動でいつもお邪魔しているお店以外,行ったことがなかったなと気づいたのですね。12月10日現在,新たに東京,千葉,埼玉,神奈川,山梨の19店舗にお邪魔しました。全部紹介していたら皆さん読む気をなくすと思いますので,キーボードを打つ手が飽きるまでの範囲で何軒かに絞って思い出していきたいと思います。それぞれのお店の訪問記の最後にGoogle マップのリンクを貼っておりますので,訪問の際には参考にしていただければ幸いです。


柏キャンパスに通うなら


 東京大学は駒場,本郷,柏に主にキャンパスを構えています(あとは白金台とか)。進学選択で後期教養や数学科以外(この2つは4年間駒場幽閉です)に進むことを選んだほとんどの学生は,駒場と本郷の2つのキャンパスに4年間でに通うことになると思います。対して,柏はというと「柏サイエンスキャンプ」や実習,研究所見学などを除けば,望んで柏の先生のもとで研究をしようと思わない限りほとんどの学生には縁がないことでしょう。現に普段の柏キャンパスは大学院生と教職員しかいないので,とても長閑です。


 そんな柏キャンパスですが,しばしば「なにもない」と酷評されます。確かに,生協の品揃えはあまり良くないし,書籍部や最寄りの飯屋なんて有って無いようなものだし,本郷と違ってコンビニに行きたければキャンパス外まで10分以上歩かなければなりません。


 しかし,そんなものは余所者の意見に過ぎません。柏キャンパスは人口密度も周りの建物の密度が低く静かですし,大気海洋研究所のお寿司屋さんは美味しいし,自転車を10分くらい漕げばラーメン屋にありつけるし,柏の葉キャンパス駅往復のバス(学生無銭教職員有料)もあります。柏の葉キャンパス駅,流山おおたかの森駅,柏駅の近くではまあまあ生活に必要な施設も栄えているので,生活するぶんには何も困りません。家賃も,住む場所を考えれば間取りをグレードアップさせたとしても東京より安く済みます(ぼくは中目黒の1Kからこっちに引っ越してきて2DKに住んでいます,掃除がクソ面倒です)。欠点を挙げるならば,娯楽が少ないことと東京都心まで遠い(高額エクスプレスを使いたくなければ本郷キャンパスまで1時間以上はかかります)ことくらいです。しかし,欠点も裏を返してみれば,卍研究に集中できる環境卍といえます。つまりこれらは長所なので,結論としては柏キャンパスでの生活は何ら瑕疵のない素晴らしいものであるといえます。

大気海洋研究所1Fの寿司屋『お魚倶楽部はま』

 前置きが長くなりましたが,何の話してたんだっけ……思い出した。紅茶の話ですね。話を戻すと,柏キャンパスがいくら研究生活に適した環境であるといえども,お茶が飲めないならば劣っています。しかし,そのような心配はありません。当然,柏近辺ではお茶が飲めます‼買えます‼


TeaZon(千葉県柏市)(2021年2月7日訪問)


 柏駅徒歩5分くらい(雑)のところにあるお店。メイン街より1本道路を渡った場所にあります。ベルギーのチョコレート店『レオニダス』に併設されています。2Fまでは階段でバリアフリー対応ではないので注意。チョコレート屋の隣の喫茶店なのでチョコレートがいただけます。紅茶に+200円ほどでチョコレート1粒をつけられます。軽食やスコーンをいただくのもよいでしょう。柏駅まで出てきて,買い物や食事を楽しんだあとにフラッと立ち寄るのもいいでしょう。どれも得点の高い風味ですが,やはりお店オリジナルのブレンドが一番でしょう。ほどよくアッサムが香ってくるいいお味です。


初訪問時の写真を紛失したので,先週訪問したときの写真。

 いま柏市ではPayPayの30%還元キャンペーンをやっています。期間は2月までだったかな?TeaZonさんも対象店舗なので,お得にお茶を飲んでみてはいかがでしょう。


Misty Wick(千葉県我孫子市)(2021年2月27日訪問)


 さきほどはお茶を飲める店の案内でした。今度はお茶を買える店です。東京であればGclefさんやLeafullさんをはじめ非常に毎月のようにお世話になっている販売店がたくさんありますが,なかなか柏住まいだと行くのが大変でしょう。


 そこで,柏キャンパス通学民の皆様あるいは一部の鉄道オタクさんにご紹介したいのが我孫子のミスティーウィックさんです。我孫子駅から徒歩25分ほど。我孫子市役所,我孫子市鳥の博物館,手賀沼親水広場のご近所。我孫子市役所までバスに揺られながら行くこともできます。

 ここはセイロンを扱うお店。ウヴァとかヌワラエリヤとかルフナとか,そのへんをしっかり取り揃えています。


お茶の袋。下敷きになっている雑誌のことは気にしないでください。

 店主の方も気さくで,紅茶トークに花が咲きました。お手頃にセイロンのシングルオリジンを試せるので,ぜひいかがでしょう。セイロンのお茶といえばBOPのように細かくなっている状態で売られていることも多いですが,買ったヌワラエリヤとルフナはどちらもOPだった記憶。このときは茶葉の大きさを加味しても普通に他のお茶を淹れるノリで淹れると薄めに抽出されたので,店主さんのお話はちゃんと聞いたほうがよかったかも() 


 紅茶を買って満足した帰りには,駅のホームで唐揚げそばでもすすって帰りましょう。


 さて,ここまで柏キャンパスの周辺のお店の一部を紹介しました。他にも,守谷などにもお茶の飲めるお店があるようです(行けていない)。これから大学を受験される方,大学院の研究室をお探しの方,そうでなくても新生活の住まいを考えられている方,みんな柏においでよ👊😤🔥🔥




関東近郊灯台下暗し散歩


 これまで北は北海道の旭川,南は宮崎まで2年で70店舗近くを訪問してきたのですが(在学中の47都道府県踏破が目標),関東以外の地方に目が向きすぎた結果,関東をほとんど自分で回ったことがないことに気づきました。サークルの活動で行くことはありますが,このコロナ禍において2021年前半はあまりお茶会を開く気にもなれず,そして自分自身が柏に拠点を移したことでなかなか参加しにくくなってしまいました(今年度1回も参加してないんじゃないかなあ)。


 そんななかでも,少しずつ訪問していきました。あまり長々と記しても読む気をなくすと思いますので,ここでは今年訪問した喫茶店のほんの一部,3軒ほどを振り返ろうと思います。気が向いたかたは是非,ぼくの個人ブログの別の記事をご覧いただければと思います(リンクを貼っています)。


紅茶と珈琲の店 山猫亭(東京都あきる野市)(2021年10月31日訪問)


 この日は途中から生憎の雨でした。衆議院議員総選挙の日だったので6時半前に投票所に並び,一番乗り。ゼロ票確認をして一筆したためて投票,そのあと荷物をまとめて西に西にと進んでいきます。五日市線の末端,武蔵五日市駅徒歩1分(というか横断歩道を渡ってすぐ)のところのお店です。


 お店の名前だけでなんとなく察しが付きそうな気がしないでもありませんが,店先に貼られている案内がまさしく「ソレ」です。


注文が多いようです(悪い意味ではありません,念の為)。

 家は8時過ぎに出たはずなのに,着いたのはランチタイムの時間帯。おすすめとのことでキーマカレーと対馬山猫紅茶をいただきました。キーマカレーは辛くなく食材の旨味で勝負しています。対馬山猫紅茶は名前のとおり対馬でつくられているお茶です。和紅茶の優しい甘み。


 なかなか武蔵五日市までなんか来ねぇよ‼と思うかもしれませんが(というかぼくの訪問記は全部そんな感じだと思いますが),アウトドア関連の活動で来る機会はあるかもしれません。そのときは,ぜひ👍



Cafe & Bar Tomodoll(山梨県甲府市)(2021年5月22日訪問)


 ちょっと飛びますが,次は山梨県です。5月22日は土曜日でして,なぜかその日に山梨県に行く用事があったので,甲府まで足を伸ばしました。梨とつく県なのにぶどうがよく穫れるので,ワインでも買って帰ればよかったなとちょっと後悔。甲府市役所は上の階に市街地を見渡せる展望ルームがあり,土曜日の閉庁中でも普通に入ることができます。訪問された際はぜひ。

 さて,与太話はこれくらいにしておきましょう。こちらのお店は甲府駅のすぐ近くの商店街の一角にあります。薄暗く物静かな雰囲気のお店の中には,アンティークが並びます。営業形態がちょっとふつうの喫茶店とは違うので注意が必要です。そのへんは,過去にブログに書いた気がするのでリンクを貼っておきます。


 さて,美味しそうな紅茶ですね。ミニアフタヌーンティーセットです。これは予約無しで頼めます。


紅茶とスコーン,ヨーグルト,アイスクリーム

 こちらの紅茶は『トワイニング レディ・グレイ』です。なんのことはない,家でも飲めるじゃないか。こいつは山梨までなぜ高い金をかけて……そう思われる方が大多数だと思います(特にこのような記事を見に来てくださる方は)。お店で飲むから雰囲気が違う,と言いたいところですがちょっと違って,これはズバリ「金が取れるお茶汲み」とはこのことだと実感いたしました。さすがにぼくは中学生の頃から紅茶を飲んでいて,こんなクソ記事を書く程度には紅茶に関心があります。少なくともお茶汲みがヘタクソではないくらいの自負はありますが,もっと拘れるところはあるんだなと実感させられるものです。


 まあ,このお店目当てに甲府まで行く~~~!って人は相当イカれている物好きくらいかなとは思うわけですが,山梨の近隣にお住まいの方,あるいは何らかの用事が発生して甲府に行く機会がある方,少しの癒やしのひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。



紅茶専門店 ディンブラ(神奈川県藤沢市)(2021年7月4日訪問)


 さて, 最後はこちら。多分神奈川藤沢のディンブラと言われたらご存じの方もいらっしゃると思います。かの磯淵猛さんがいらっしゃった喫茶店であります。お亡くなりになったあと,藤沢駅近くにあったお店が江ノ島に移転し,ご家族の方がいまは運営していらっしゃいます。


  藤沢にあったときにも一度訪れたことがあります。そのときも,今回も,頼むのはディンブラ。お店を移転して一新したからでしょうか,藤沢にあったころより明るくきれいな雰囲気がお茶の気分を盛り立てます。藤沢にあったときより江ノ島に来たあとのほうが,お店の規模は少し小さくなったのかな?と思いますがこっちのほうが好きです。飲んだのはディンブラですが,ディンブラに加えてウヴァとヌワラエリヤを自宅用に購入。50g100gと量り売りもしてくださいます。淹れ方の紙もつけていただき,親切満足大感謝です。


 江ノ島や,水族館を訪れるついでにぜひ立ち寄ってほしいお店です。



おわりに:きんいろのおもいで



 真面目な話をしていたら疲れてしまいました。最後にもう一度ほんの少しだけ与太話に付き合ってください。知るかって人はこれ以降は読み飛ばしてハートマークだけ押してくださると嬉しいです。良いお年を。


 さて,皆さんは漫画/アニメ『きんいろモザイク』を読んだ/見たことがありますか?英国かぶれの紅茶金髪狂の大宮忍さんと,英国育ちの金髪アリス・カータレットさんが毎日のようにお茶を飲んで日本中を駆け回るアニメです(大嘘)。


 今年はキャラクターの「卒業」を描いた劇場版が公開されました(つい先日,12月9日に公開終了しましたね)。忍とアリスは日本全国の紅茶店をめぐる旅を続けていたわけですが,その集大成としての喫茶店の回収にかかります。ついに47都道府県全てに一度以上の訪問を果たした2人。ことあるごとに旅を一緒にしてきた友人たちとも,いつか「卒業」というひとときのお別れがやってきます。そのときが刻一刻と迫っていくなか,これからの自身,みんなの紅茶ライフの発展を考えたときに下した決断は…… これ以上はぼくの口からは言えません。配信やDVDの発売を待って,ご自身で確かめてみてください。あるいは,もう見た人もいるかな?


 さて「卒業」以外すべてが嘘な粗筋はともかく,何が言いたいかというと,学生時分の「仲間」っていいなあ。って思うわけです。コロナ禍を挟んでここ3年ほどはサークルにクソ貢献するというよりは1人で喫茶店を訪問して,1人でお茶を買って飲んで1人で美味いなあ,って言いながらTwitterやInstagramに投稿する毎日でしたが,やはり仲間とお茶をする,お茶の飲み比べをして意見を交わす,イベントを企画運営する。これらは素晴らしい活動です。


 コロナで大学祭や外部の紅茶イベントができずに時間が空いてしまったために,秋ごろまではさすがにサークルの活動のほうも低調なようでした。最近はワクチンも出回りかなり低調になったからか,お茶会の企画は戻ってきているようで何よりです。せっかくの「紅茶サークル」なのですから,お勉強会的なもの,駒場祭やイベント出店なんかも来年あたりそろそろ戻って,元気にサークルが続いてくれたら嬉しいな(イベント出展はなかなか自分たちの努力でなんとかなるものではありませんが)。


 KUREHAに場所を与えてもらった1人として,楽しくも知的なコミュニティーとして続いて,私のようなお茶を飲むことくらいしか能がない人間の受け皿になり続けてほしいなと思いつつ,今年の物書きを終えることにします。


 仲間って,いいぞ👊 あ,あと全人類『きんいろモザイク』を見てください。



2021年12月11日

「都心から一番近い森のまち」にて,とびきりのお茶の湯気を香りながら


こやまうんてん

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