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しめさばの紅茶漬け

1. はじめに

 どうも,好きなものはケーキと紅茶,趣味は園芸,専門は気象とモデリング,数日前にプロバンス風ミネストローネを会心の出来栄えで作って上機嫌でいたら階段で派手に転んで顔や手に火傷を負ってしまう,しかしながらいざ痛みが引いてみたらやけどの跡が隻眼の剣士みたいになっててカッコ良くない?などと思っている,そんな抜けてる感じが取り柄の2年生,しめさばが今日の文責を務めさせていただきます。

 皆さん,クリスマスの予定はたっていますでしょうか?

 私ですか?

 ポインセチアとシュトレンは買ってきてあり,当然お茶は1stフラッシュからほうじ茶まで用意してあるので,後はクリスマス当日がお休みなのを幸いに,当日限定のケーキの開店争奪戦に勝利さえすれば,慎ましく課題とバイトとともにクリスマスを迎えることができるのではないかな,といったところです。予約しても良かったのですが,誰かの喜ぶ顔を見られるならいざ知らず,自分一人のために予め中身がわかっているケーキを受け取りに行くことほどつまらないことがあるでしょうか?ケーキが無くて誰かを困らせることも無いので,せっかくならば当日限定で用意されるケーキのサプライズに賭けてみたいと思ったのです。買えなかったら焼肉食べに行ってやります。


我が家にお越しくださったポインセチア様


 さて,クリスマスに予定が入っている方は,当日の天気などが気になるところでしょう。デートコースを屋内にするか屋外にするかといった問題もありますし,せっかく高層階のレストランを予約しても,雨であったりすればガラスに打ち付ける雨を見ながらのディナーとなってしまいます。


曇った日の湾岸地帯


 この記事を書いた時点の最新情報である22日11時の情報を見てみますと[東京都の天気予報(気象庁)],東京の24日の天気は曇り時々晴れ,25日は曇りとなっています。屋外でのデートも楽しめるのではないでしょうか。


 話を少し先に進めましょう。今後の天気の傾向をつかもう,そう思い立った場合には,天気予報を見ることもさることながら,天気図[天気図(気象庁)]を見てみようという考えに至るわけです。ふむふむ?22日12時現在ですと,昨日北海道地方を東進した前線を伴う低気圧は千島近海へと抜け,主に北日本を中心に西高東低の気圧配置となっています。24,25日はどうなるのでしょうか,と言いたいところですが,残念なことに,この天気図は直近の9時または21時に対して48時間先の予報までしか見られないようです。これでは23日の21時までしか予報を見ることができません。どうしましょうか。

 

12月22日12時時点での地上天気図


2. 数値予報図

 そもそも,この天気図ってどういうものなんでしょう?

 困った時は公式解説を見るに限ります。

 知識・解説(気象庁,以下特段に断りがない限りリンクは気象庁サイト)のページを見ると天気図についてというページがあります。なるほど,天気図には前述の実況天気図や予想天気図の他に,高層天気図数値予報図といったものがあるようです。また,親切なことにそれぞれの天気図をどのように扱えばいいかまで解説をつけてくれているんですね,さすが気象庁!

解説ページ

最新の天気図

日本周辺域

実況天気図

アジア太平洋域

実況天気図

予想天気図

高層天気図

数値予報図

各天気図とその解説ページへのリンク表


 一つ一つ解説やそこから読み取れる現象,あるいはその背後の物理的背景の解説を始めると,簡単にやっても入門書2~3冊程度の分量になってしまうためここでは割愛します。

 それでも概要は見ておきたい,ということで天気図の有効な活用についてだけでも目を通しておきましょうか。一般的な天気図は地上面での低気圧や前線の位置の把握に,高層天気図はより立体的な気象状況の把握に,数値予報図は特にこれから先未来の状態について情報を得たいときに,特に有効なようですね。今は未来についての情報が欲しいので,数値予報図の項を少し覗いてみましょうか(ところで,この“未来の情報”と便宜上読んでいる数値予報図は現在の情報を基に作成されている図ですので,正確には現在の情報を基に演繹的に作成された図ということになりますが)。

 何やらたくさん図がありますね。それぞれの図に書いてあることもまぁ解説ページや参考書に任せるとして,“アジア地上気圧、850hPa気温/500hPa高度・渦度予想図”から見てみることにしましょうか。例えば,今記事を書いているのが22日の15時ですので,直近の21時(12:00UTC)は前日21日の21時となります。よって,96時間予報図を見れば25日21時(251200UTC)の状況が見れるという仕様です。(実際には21時のデータを基に演算を行って予報図を作成するので何時間かのラグがありますが)

 図を見るのに必要な情報は図の中に書いてあります。上段は500hPaにおけるHEIGHT(等圧面高度)及びVORTICITY(渦度),下段はSURFACE PRESSURE(地上気圧)と850hPa面におけるTEMPERATURE(気温)が書いてあります。例えば,(様々な要素の考慮や計算誤差の検討などの問題はありますがそれこそ専門書や論文や最先端の研究レベルの話ですので)面的に0次,高度的に1次,時間的に0次の近似として,ある地点の気温は高層の気温にそこまでの高度*0.06をすれば求められるというものがあります。これを基にすると,下段で850hPaの気温を示す破線のコンターは3℃毎に引かれているため,850hPa面の代表的な高度である1500mを当てはめると,-3+9で東京の気温は6℃くらいになるんじゃないかなぁ,という推測ができます(数値予報の誤差幅や,今の計算の仮定がどれほど適切だろうか,誤差が生じるとしたらどのような原因でどの程度の幅だろうか,ということについての検討は常に必要です)。

 

211200UTC初期値の251200時におけるFEASの図。下段を拡大。


 せっかく図が他にもたくさんあるので,他の図も見てみましょうか。“極東地上気圧・風・降水量/500hPa高度・渦度予想図”などはどうでしょうか?今は15時ですので,もう00UTC(朝9時)初期値の図が出来上がっていることでしょう。72時間先なら25日朝9時の図となるはずですので,先程みた21時の図からはややずれてしまいますが,地上の降水量の予報がみられるのは大きいです。

 さて,25日9時(250000UTC)の状況を見てみると,まぁ上段には沿海州に禍々しい寒冷渦が佇んでいるのが見るまでもなくわかります。下段の実線コンター,地上気圧と破線コンター,25日朝9時までの24時間降水量を見てみましょう。千島近海には現在発達中の低気圧から取り残された低気圧性の渦が見えます。そして房総半島沖にはLで示された低気圧が見えます。等圧線の形から,日本の東へ延びる温暖前線と伊豆諸島方面に延びる寒冷前線まで見えてきそうです。問題は何かというと,破線のコンターがちらちらと関東地方やその南海にみられること,即ち,少なくともこの図を見る限りは降水がある可能性があるということです(何度も言いますように,まずはモデルに使用している地形,数式の誤差,更には観測値の誤差の予報時間の経過による増幅などが影響します)。

 

210000UTC初期値の250000時におけるFXFEの図。下段を拡大。


3. 予報の信頼度

 ここから先の更なる高精度の予測には,より高分解能のモデルの演算による結果との比較,さらに新しい観測の情報,過去の類似の状況における予測と実況の系統的なずれなどを加味して行われます。ここで最新の[東京都の天気予報(気象庁)]に戻ってみると,気象庁は今の所ここの24,5日を曇りと判断しているようです(私の見解ですか?気象庁に許可を得ていない個人及び団体が勝手に天気予報を出すと罰せられてしまうのですよ)。


12月22日11時発表の東京地方週間予報


 しかしながら,25日の下に書いてある信頼度がBであることにお気づきの方はいるでしょうか。この信頼度に関する情報はこの予報ページの下に書いてあります。


予報の信頼度についての説明


 説明欄の説明もやや定性的な表現なのが気になるところですが,見てわかる通り,どちらかと言えば来週の予報が信頼度Aで出ていることのほうがすごいことなのです。それに比べると25日は信頼度がやや低いようです。どのような経緯で25日の予報の信頼度にBをつけたのかは私には知る由もありませんが,予報担当の方もこの房総半島沖に予想されている低気圧の影響については注目しているところなのでしょうか。

 実際の気象解析や予測には,今回使用したものとは比較にならない量と種類のデータを用い,より専門的な知識を活用するのですが,今回の記事で書けるのはここら辺りまでとなりましょう。もっと知りたい方は本を買ってみてください。


4. Appendix

 お正月の天気はどんな感じなのでしょうか?流石に2週間先の数値予報はあまりあてにはできませんし,気象庁でも一般向けにはそのような情報は出ていません。しかしながら,先ほどのページに1か月予報なる項目があるのには気付いておられるでしょうか。流石に1か月先となると日々どこに低気圧があるかといった情報を参照しようとするのは誤差的にナンセンスであり,寒気が入りやすい場だろうか,さらに言えば,タイムスケールがより長く予報の有効期間もより長い傾向がある極渦の動向などを探ろうという趣旨の図になってきます。より詳しく見たければ,これらの図と共に大気海洋循環の現在の状況等も関連付けながら見ていくと良いでしょう[大気の循環・雪氷・海況]。解説ページなどもあるので,もしこれらの図を活用したいということであれば勉強するのが一番でしょう。


5. あるあるに答えるコーナー

【どの紅茶が一番好きなの?と聞かれるが、候補が色々ありすぎて即答できない】

一番好きな紅茶が日々塗り替えられていかないって悲しいことじゃないですか?(論点のすり替え)


【自分の一推しの紅茶屋さんから新商品が出ると、買わなければいけないという衝動に駆られる】

義務でありお布施ですよ?

ニコ動の世代なので『紅茶を買うのは?』\\義務なんです//が脳内をこだまします。


【テスト期間や課題地獄の時など、ストレスが大いに溜まっている時はいつも以上に紅茶を爆買いしてしまうが、結局時間と心の余裕が無くて飲むのは後回しになってしまう】

こればっかりは賛同しかねますね。課題を……したり***したりを対価に空き時間を錬成して飲み始めます。等価交換です。(単位には気を付けてください)


【名高い高級ブランドの茶器を揃えたいという気持ちは強いが、ついつい安くて機能性の高い耐熱ガラスの茶器を使ってしまうので、なかなか購入に至らない】

機能性至上主義者な上にシンプルなデザインが好きで,壊すのではないかといった心配からも解放されるのでむしろガラス製の茶器の方が良いですよね。

ガラスのポットにガラスのグラスとソーサー,リザーバには取手付きのビーカーを使ってます。


【紅茶にある程度まで満足したら、中国茶や日本茶に手を出し始める】

紅茶をよく知るためには世界のお茶文化の中での紅茶というものの立ち位置をよく理解する必要があり……え?毎月の茶葉代ですか?直視できてないですがケーキと茶葉が食費の大体(大体)4~3分の1ずつくらいを占めてるんじゃないですかね?今月は福袋でもうちょっとひどいので茶葉代だけで家賃と同じくらいは行く気がします。

 

それでは皆様,良い紅茶ライフを!

鰺のたたきが大好きなしめさばがお送りしました!

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