初代副会長のmavoです。KUREHAの立ち上げを2017年の秋ごろ初代会長の河口と行いました。
今回はアドベントカレンダーをやるので、サークルの作り方について書いてくれと言われたためこの記事を書いています。基本は東大のサークルを念頭に置いています。このサークルを作るときに「前例がない」というのは大変だなーと思ったので備忘録がわりに書いておきます。一般的なサークルの作り方の方法論に加えて、サークルと言う組織が内在する問題点についても触れられたらいいなと思います。
【目次】
1.立ち上げフェーズ
1.1幹部を集める
1.2会員を集める
人を集めましょう。集める際は、
ツイッターやFacebook、instagramなどのSNS
友達を誘う
オリエンテーション委員会などを通じた新歓を行う。
などがありますが、3はある程度活動実態がないと難しいと思います。
そのため、最初は1,2を検討しましょう。KUREHAは会長を中心に20名ほどがtwitterを経由して集まったのが始まりでした。
まだ一度も活動がない状態で人を募る時には、なるべく「具体的に何をするのか」「どれくらいの負担(金銭、時間)があるのか」「どういう人(学年や経験者or初心者)を念頭にしているのか」がわかるように呼びかけましょう。
基本的には発案者が最低一人はいるとして、そこから会員と幹部を集めることになります。幹部は「楽しみだけではなく、苦労も担ってくれる人」、会員は「活動に参加してくれる人」をイメージしています。このように書くと、「会員はフリーライドしている」ような印象を受けますが、「活動に参加してくれる」というのは「サークル」という形態で活動するには大切なことです。また、活動を続ける中で運営に参画してもらえるように頑張りましょう。最初は幹部的な役割を担ってくれる人が3名程度いると心強いです。この時期は会長が先頭に立って方向性を示しつつ、活動内容を固め、初回活動を行えるように頑張りましょう。
サークルの規模として、ざっくりと言ってしまえば
1-10人(個人的関係ベース)
10-30人(コミュニティ型)
30-100人以上(プラットホーム型)
で運営形態を変える必要があるでしょう。最初から大人数で始めるのは、管理という面では難しいでしょう。そのため、人を集める段階で、どれくらいの人数規模で、どのような活動をするのかイメージする必要があります。立ち上げが軌道に乗るまでは、30人程度に抑えるサークルとしての活度を定着させる必要があると思います。
人数が多くなるほどにサークルとしてできることの規模は上がってきますが、まとまりがなくなる、会員の平均的なコミット率は下がるなどのトレードオフがあるので、どれくらいの規模が活動に最適なのかを常に念頭に置いておきましょう。特に、人数が多くなると、「居場所感」や「所属感」と言ったものが薄れます。
2. 活動内容を作る
2.1 活動内容を具体的に決める
活動内容を作る。というと、何を当たり前な、という感じですが意外と大事です。
KUREHAは紅茶同好会なので、紅茶を活動の中心に据える、というのは決まってますが、具体的に何をするのか、というと自分たちで決めていかなければなりません。そのため、
通常活動:お茶会など。何をどれくらいの頻度でやるのか。固定曜日などにすると良い。
定例活動:学園祭、新歓など。いつな何に参加するのか通年で決定。
特別活動:ティーフェスティバルやグルメフェスなど。誘われたりなど単発で参加。
ぐらいの具体性で活動内容を決定しておく必要があります。ここが充実していないとせっかく集まってくれた人も徐々に幽霊部員となってしまいます。
特に通常活動は吟味する必要があります。みんなが興味を持て間口の広い活動が良いでしょう。最初は何回か、顔合わせもかねて敷居低い集まりを持ちましょう。
ある程度安定してきたら、通常活動以外の活動にも手を伸ばしましょう。定例活動や特別活動では、実行するために結構な作業量となるので、担当者をつける、役割分担をするなどして、ある程度秩序だって進行できるようにしましょう。これができるようになると、友達の集まりではなく、サークル活動をしているなぁと言った趣になってきます。
2.2 活動場所を作る
部室や集まれる場所があるというのは大切です。今はコロナで難しくなっていますが、「ここに行けばサークルの誰かと会える」という場所があるのは親密度の意味でも、活動の活発化のためにも重要です。
オンライン:LINEグループ、Slack、Discordなど
オフライン:部室、学生会館など
部室は学友会に加盟し、一定期間を経ることで部室の割り振りの申請が可能になります。時間はかかりますが、やっておく価値はあるでしょう。
オンラインでは、①集まれるコミュニティとしてのサービスと、②通話などをする機能があるサービスを用意しましょう。
個人的には、2020年12月現在ならDiscordが両方の機能があり便利です。slack,lineを利用する場合はZoomなどを併用する必要があると思います。
3.サークルができたことを伝える
3.1 サイトを作る
オンライン上で活動周知できるよう、サイトを作りましょう。最初はWixやwordpressなどの簡易なもので構わないと思います。基本的には活動内容、加入希望者の連絡先がわかれば十分だと思います。有料なものは継承性の面から結構面倒です。
Twitterやinstagramでサイトの役割を代用してしまう手もありますが、「検索に引っかかる」という点ではサイトの方が良いのかなと思います。
また、ガクサーなどの登録のみで周知できるサービスを利用するのも一手でしょう。
3.2 SNSを作る
SNSは新歓期やイベント時に威力を発揮します。そのため、主要なものはアカウントを持っておく必要があるでしょう。
機能としては、日常の活動を周知する。
イベントの宣伝を行う。
新規参加者を獲得する
などでです。しかし、炎上やモラルに反する投稿などをしてしまう可能性は常に存在しているため、投稿は相互チェックをするなど、運用体制には十分に注意しましょう。
3.3 規約を作る
規約は「サークルの活動を規定するもの」として必要です。多くのサークルは存在しないor認知していないと思いますが、トラブルにならないようにあった方が良いと思います。一から作るのは面倒なので、ネットなどで他サークルや規約例を雛形を参考にしつつ作りましょう。
3.4 団体申請を行う
サークルとして活動をするのに、実は大学への申請は東大では必要ありません。サークルの活動をサポートする団体(学友会、オリエンテーション委員会)はいくつかあるので、各団体の規約に目を通しましょう。下部にリンクを貼っておきますので、参照してください。
【各所サークル関連のサイトなど】
物資の支援、部室の割り当てなど。年2の代表者会議に出席の必要あり。
・オリエンテーション委員会:https://www.a103.net/ori/2020/visitor/
新歓関係。テント列やビラ入れに参加するため必要。
基本はする必要はないが、学内施設の利用等で必要ならば検討。毎年5月に新規、継続の申請が必要。
おまけ
誰が財を供給するのか?
サークル活動は楽しいばかりではありません。活動を行うためには、お金や事務処理など、コストもかかります。小学校のクラスでは、掃除や事務手続きはみんなで分担しましたが、サークルではどのように分担するべきでしょうか?これは公共財の供給問題に似ていると思います。つまり、「誰かがやれば、みんなが幸せだが、みんなが誰かがやって欲しいと考えている」状態です。このような状態はサークル活動をするにあたって、幾度となく出てくると思います。そのとき、誰かが苦労をしてでも財を供給するor分担して負担するシステムがないとサークルは持続しません。毎回分担できればそれが理想ですが、そうともいかないことはたくさんあります。そのとき、誰かが苦労を厭わず財を供給してくれるようになれば、サークルが存在意義を持ち始めたと言って良いでしょう。つまり、これはサークルに参加することで得られる嬉しさが、サークルに参加することのコストを上回っているということだと思います。最初は「何故こんな苦労をしているんだろう」と疑問に思うこともありましたが、活動を続けるうちに会員が運営のため負担をになってくれるようになり、嬉しかった覚えがあります。
しかし、サークルの初期の時期は、「サークルが参加者に与える嬉しさ」もあまりないので、かかるコストは立ち上げた人間が被らざるを得ません。そういう意味での苦労はある程度覚悟するべきでしょう。また、逆にサークルが潰れる時は、その「存続にかかるコストを負担できる人間がいなくなった」と言えるでしょう。そうならないように、参加して価値があると思ってもらえるような活動を提供できるよう気を配ることが重要だと思います。
決して楽しいばかりではないが意外とどうにかなるもの
とは言え、サークルを作ってしまえば楽しみも多いです。一人ではできないことがたくさんありますし、何より人と一緒の何かをやるというのはかけがいがないものです。「入りたいサークルがない」という方は、なら自分で作ってしまう、というのも良い選択肢だと思います。意外と作ってしまい、活動が動き出せば、人の力をかりつつなんとかなるものです。
最後に:KUREHAの活動が続いていくことを祈っています。それではまた。
文責:mavo
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