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ティータイムにおすすめの音楽

はじめに

 こんにちは、2年の藏方です。あっという間に12月となり、今年もあと2週間を切りました。個人的には、カフェ巡りだけでなく「紅茶を楽しむ」という新たな趣味を見つけることができ、発見の多い1年だったと感じます。こんなお店を見つけた!こんなおいしい紅茶を飲んだ!と誰かと共有し合える癒しの時間が増えたことがこの上なく嬉しいです。紅茶に関してはまだまだ初心者なので、ここでは私の20年来の「音楽鑑賞」という趣味(?)を生かし、ティータイム(寛ぎのひととき)におすすめのクラシック音楽をいくつかご紹介します。


①サン=サーンス/ゴドフスキー編曲:「白鳥」

 Charles Camille Saint-Saëns/ Leopold Godowsky:“Le cygnet”


 この作品はフランスの作曲家、サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」第13曲「白鳥」のピアノ独奏版で、広く知られている原曲では2台のピアノとチェロによって演奏されます。楽器を問わず様々な編曲版があり元々好んで聴いていたのですが、中学生くらいの頃にあるピアニストのリサイタルのアンコールで演奏されたこのピアノ独奏版を聴いて「素敵すぎる…」と感動したことを今でも鮮明に覚えています。旋律の合間を縫うように現れる16分音符がキラキラと光る水面のようで、ピアノの音色の美しさが際立つ一曲です。チェロの優しく歌うような音色で奏でられる原曲と聴き比べてみることで、組曲の中の1曲としての「白鳥」をまた違う視点で見ることができる気がします。


②ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲

 Claude Achille Debussy:Prélude à l'après-midi d'un faune


 同じくフランスの作曲家、ドビュッシーの代表的な管弦楽曲の1つといえる「牧神の午後への前奏曲」は、冒頭のフルートの音色からその場の雰囲気を一変させる、そんな神秘的な作品です。何度も現れ上下する半音階を探しながら鑑賞すると聴く度に新たな発見があり、個人的にはその不安定さと表裏一体となった穏やかさが、夜へ向かう昼下がりの雰囲気そのものだと感じます。


③グリーグ:抒情小品集 第9集 第3曲「あなたのそばに」

 Edvard Hagerup Grieg:Lyriske stykker No.9 op.68 Ⅲ. For dine fødder


 この作品はノルウェーの作曲家、グリーグによる全10集・全66曲のピアノ小品集の中の1曲で、曲集では全ての小品に題が付されています。全集の中からある曲を練習していた際、楽譜をぱらぱらと眺めていると英語名で“At your feet”と書かれたこの作品を見つけました。当時の私には「足…?」と全く想像がつきませんでしたが、少し弾いてみるだけでその愛おしさを感じる旋律と響きに心を打たれ、すっかりお気に入りの曲となりました。訳された日本語の題からある程度作品について想像し得ることは多いですが、原題や他の言語の題を見て再度学ぶことの重要性に気づかされた思い出でもあります。一見穏やかでありながらも不安定さや情熱を感じる、この言葉で表しきれない雰囲気が胸を打つ一曲です。


④ショパン:夜想曲 第1番 変ロ短調

Frédéric Chopin:Nocturne No.1 op.9-1 


ピアノの詩人、ショパンの名曲として夜想曲(ノクターン)はドラマや映画、CMなどで使われていることが多く、誰もが耳にしたことがあるのではないかと思います。中でも第1番はリラックスタイムにおすすめしたい曲の1つです。私はこの曲を聴くと何故かあまりにも落ち着くため疑問に思っていたのですが、ある時両親が幼い私を寝かしつけながら子守唄として流していた曲だと発覚してその理由が分かりました。(実は偶然CDの1番始めに収録されていたのがこの曲だっただけで特にこだわりはないそうですが、今でもこの曲を聴くといつ何時でも爆睡です…。)冒頭の6音からすでに漂う曲全体を通した哀愁が寒い夜に沁み入る、冬に合う名ピアノ曲だと思います。


⑤ブラームス:6つの小品 第2曲「間奏曲」イ長調

Johannes Brahms:6 Stücke op.118 Ⅱ. Intermezzo


 この作品はドイツの作曲家、ブラームスによるピアノ曲です。ブラームスというと交響曲やハンガリー舞曲などどちらかと言えば管弦楽曲のイメージが強いのではないかと思いますが、ピアノ曲の中で大好きな曲の1つとして紹介したい作品です。特に寛ぎの時間には、映画『マチネの終わりに』のサウンドトラックに収録されているギター編曲版の演奏がおすすめです。同じ曲であっても、10本の指で同時に和音を奏でるピアノとはまた異なるギターの音色が素敵で、文学作品から映画作品、音楽作品同士への繋がりを感じることができます。


 

・ここでの作曲者名や作品名は、 井上和男 編(1990)「クラシック音楽作品名辞典」三省堂 を参考にして記しています。

・原曲・編曲版含めここでご紹介した作品を、順にプレイリストにまとめてみました。

↓↓↓


おわりに

 まだまだたくさんおすすめしたい作品がありますが、落ち着いた雰囲気の5曲をご紹介しました。ジャンルを問わず、音楽には時を超えてその時間、その空間を彩る力があると日々感じています。様々なことを振り返りながらおすすめしたい作品を選ぶ中で、音楽、紅茶、そして人との出逢いを大切にしたいと改めて思いました。また、普段クラシック音楽を聴く人にとっても聴かない人にとっても、新たに音楽と出逢うきっかけの場となっていたら嬉しいです。最後までお読みいただきありがとうございました。

それではみなさま、Happy Holidays!!

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