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衣装製作について

皆様いかがお過ごしでしょうか?

四年の村松です。

今回は衣装制作について書かせていただきます。文字だけでは想像しにくいかと思いますので、私がAIで製作したイメージ画像を挿入させていただきました。

完成作品は近々インスタにて公開予定ですので、もうしばらくお待ちいただけますと幸いです。(https://www.instagram.com/mmii379?igsh=OGQ5ZDc2ODk2ZA==)

インスタやってないけどみたい!という方は声をかけてくださると嬉しいです。

少々長くなりますのでかいつまんでお読みください!

※AI画像について…全て単語から作成したものであり、既存の画像やイラストは一切使用しておりません。


[はじめに]



小さい頃から自分の外見が好きになれず、太陽に照らされて出来た影に理想を詰め込んでは羨むような生活を送っていました。なので、私にとって洋服やメイクは醜い自分を隠すための鎧であり、呪いを解くための魔法なのです。今はそんな魔法を使って、誰かの呪いを解けたらと願っています。


[きっかけ]

ドリームプラン奨学金という、学生が夢を叶えるための資金を給付する制度を先輩から教えて頂いたことがきっかけです。

「海外ボランティアに行きたい」「個展を開きたい」など、志望者が趣旨やコンセプトをプレゼンし、役員の方々から承認を得て各々の目標を達成するというもので、自由度が高かった事も活用する理由でした。


[この制作をした理由]

私自身ロリィタファッションが好きなのですが、「自分には似合わないのではないか」「いつまでこの服を着続けられるのだろう」と不安を抱えていた時期がありました。憧れが詰まったフリルに身を包んでいるのに、自分が課した賞味期限が迫る秒針の音が耳元で大きくなるのです。

私以外にも「好きな服を好きに着れない苦しみ」を抱えている人がいると知り、それを少しでも和らげたいと思いました。

「ロリィタファッションはこういう物のだ」という主義主張はロリィタを愛する人の数だけ存在します。そのためここで制作した衣装を「ロリィタではない」と考える人もいるでしょう。しかし「これはロリィタだ」と発信することでハードルを下げ、誰かのファッションの幅を広げられたらいいと強く思います。


[完成までの流れ]



コンセプト、デザイン画作成

デザイン画をOEM業者に持ち込み、トワル製作とサンプル製作にかかる費用を見積もる

OEM業者にシーチングでトワル製作を依頼

トワルチェック、修正

生地や資材の調達

本布で見本品の製作を依頼

見本品、ハンドメイド小物完成

見本品を着用し、スタジオで撮影

撮影写真をインスタなどのSNSで発信、宣伝

報告書の提出


・シーチング:トワルを作るときに使うテスト用の布のこと。

・トワル:作った型紙が立体になってもシルエットに違和感がないかチェックするための仮縫いのこと。

・OEM業者:型紙やトワル、サンプルを製造する受託側企業のこと。

・仕様書:縫製仕様書のこと。デザインした洋服を形にするための縫製の指示が書かれているもの。


7月上旬から12月末の約5ヶ月間、このような流れで進めていきます。

今回はこの中で特に力を入れた事柄をご紹介したいと思います。


[コンセプト]

「Ombrée Parfait」






[小物制作]



ネックレス、ピアス、手袋、ヘッドドレス、コルセットなど、ロリィタには小物類の充実が欠かせないため、それぞれの衣装に合わせて製作を行いました。

アクセサリーにおいてはコスチュームジュエリー(貴金属を使用せず、富や権力ではなく個性やデザイン性を重視するもの)らしさやヴィンテージライクなテイストを出せるようにこだわり、ヘッドドレスやコルセットなどは、どんな衣装にも合わせやすいように黒で統一しました。

大きさや色合い、鋏を入れるタイミングなど、全てにおいて勘と勢いで作ってしまうので「こうしたらいいんじゃね?!」という気持ちだけで完成するものもあれば「こんなんじゃかわいくない!ときめかない!」となる事もしばしばで、頭を抱えて呻く日々が続きました。


[撮影]



日常でも使える服、普通の人が着ても美しくなる服だと示したかった為、自分自身を被写体に選択しました。また、あえて化粧やヘアスタイルを一般的なアパレルブランドと同じようにする事で、より身近に感じていただけるようにしました。


そうはいっても、この計画が始まった当初の私は写真に映るのが大の苦手で、制作物の作品撮りでさえモデルを友人にお願いしていました。

憧れの先輩方のように素敵な写真を撮りたい!と意気込むものの、こんな醜い自分がどんな顔して写真に映ればいいのだろうと思えば思うほど体が動かず、ぎこちなくなってしまうのです。

とても可愛い服なのに、その魅力を表現できないことが歯痒くて仕方ありませんでした。なので視点を変えて、

「服の魅力が最大限に伝わるように撮ればいい」 「服が主役、私はただの添え物」と考えるようにしました。そうするとあら不思議、気持ちが楽になり、写真が大好きになりました。顔も体型も加工でなんとでもなる。それなのに今日選んだ服の美しさを残しておかないでどうする?と自分に問いかけると、恥ずかしさが吹き飛び今すぐ写真撮らなければ!という衝動に駆られます。

このようなケースは稀かもしれませんが、写真がうまく撮れない…と悩んでいる方の参考に少しでもなれば幸いです。


[感想]

ほんっっっとうに長い道のりで、まるで終わりの見えない螺旋階段を登り続けているようです。

しかし、小さい頃から理想のお洋服を描き、これが現実に現れないものかと地団駄を踏んでいた私にとっては、苦痛でさえ最後の感動を味わう為のスパイスに過ぎません。

あんなに願っていた事が今目の前で起こっているんだと思うと、自然と口角が上がってしまうほどです。どんなに辛くてもこの快感を知ってしまうとやめられなくて、もう一度あの夢を見たくてしょうがなくなるのです。

自分が考えたものを形にして、それを皆様に見ていただくことが私にとって何よりの幸せであり喜びです。皆様のおかげで私はこの制作を取り組み続けることができました。


報告書や費用の精算、デザイン画の修正、最終発表などなど、もうしばらく共に歩んでいかなければならないので、卒制との板挟みになりながら楽しく生き延びようと思います。

長らくお付き合いいただき誠にありがとうございました!


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